給料ファクタリングの違法性・安全性を徹底解説

給料ファクタリングの違法性

給料ファクタリングは給与債権を買い取るという仕組みで、お金を手にする金策です。

「借入ブラックでも、利用できる」

「利息がかかならない」

といった特徴があり、最近注目を集めています。

しかしながら給料ファクタリングは違法な貸金業であるとの批判が多く、ご利用前には注意しなければならない点が多数あります。

そこで本記事では、なぜ給料ファクタリングが違法と言われるのか、利用者が知っておくべき必須知識を分かりやすく解説します。

給料ファクタリングが違法と言われる理由

違法と合法

給料ファクタリングが違法と言われる理由としては、以下の点が挙げられます。

①手数料が非常に高金利
②ヤミ金が運営している
③認可がない貸金業だから
④給与債権は譲渡ができない

順番に、ひとつずつ詳しく解説していきましょう。

①手数料が非常に高金利

給料ファクタリングを利用の際には、給与債権の買取手数料に注意しなければいけません。

給料ファクタリングの手数料は、買取金額に対して20%〜40%程度掛けた数字が一般的です。

中には買取手数料以外にも、事務手数料や振り込み手数料として3,000円程度の手数料を要求してくる業者も存在します。

給料ファクタリングは給与債権の買取、という名目ですので金利ではない、というのが業者の建前です。

しかしながら給料ファクタリングの手数料を金利に換算した場合、法定金利を大幅に上回る数字となります。

例えば、30%の手数料で給料ファクタリングを行った場合、この手数料を金利に換算すると、

30%✖︎12ヶ月=360%

という金利になるのです。

加えて事務手数料や振り込み手数料が利用者負担であったと仮定すると、手数料はさらに膨れ上がり500%近い金利になることもあります。

また、給料ファクタリングを利用する時期も注意しなければいけません。

給料ファクタリングの支払い期日は一律で給料日当日です。

つまり給料日の翌日に給料ファクタリングを利用しても、給料日の1日前に給料ファクタリングを利用しても、業者に支払いをする日にちは変わりません。

仮に給料日の2週間前に30%の給料ファクタリングを利用したとしましょう。

その際の手数料を金利換算すると、

30%✖︎12ヶ月✖︎4週間➗2週間=720%

となってしまいます。

これに事務手数料や振り込み手数料を加えると、1000%を超える金利になることも珍しくありません。

利息制限法で決められている法定金利は年利で20%です。

比較すると、給料ファクタリングの手数料は法定金利の数倍も高いということがお分かりでしょう。

カードローンに比べると、給料ファクタリングの返済は困難になることが考えられます。

現時点では給料ファクタリングを規制する法律がないため、高額な手数料も見逃されていますが、ご利用時にはくれぐれもご注意ください。

②ヤミ金が運営している

給料ファクタリングは法的にグレーなサービスであり、利息制限法を大幅に上回る手数料を請求しても(現時点では)違法になりません。

そこに目をつけたヤミ金や詐欺業者、反社会的勢力といった悪質業者が給料ファクタリング業に参入しています。

きちんと法人登記を行ってクリーンな運営を行っているファクタリング会社はほんの一部です。

大方の給料ファクタリング会社はヤミ金や詐欺業者であり、万が一ご利用してしまうと

・闇金業者に個人情報が出回ってしまう
・お勤め先の会社に鬼電話が来る
・法外な手数料を要求される

などの被害が既に報告されています。

給料ファクタリングを利用したことを会社、家族にバラされて退職せざるを得なくなった、家庭が崩壊したという方もいらっしゃいます。

中にはLINEに登録されている友人を教えるように強要したり、緊急連絡先と称して親戚の個人情報まで提出を迫る業者も存在します。

くれぐれも給料ファクタリングをご利用の際には、悪徳業者でないかどうかを注意しなければいけません。

③認可がない貸金業である

給料ファクタリングは給与債権の売買という名目ですが、実態は違法な貸付です。

一般的に、貸金業を行う際には金融庁から許認可を受ける必要があります。

しかしながら給料ファクタリング会社の多くは、貸金業を営むための認可を受けていません。

それにも関わらず、実質的な貸金を行っているとして給料ファクタリングは違法だと言われているのです。

④給与債権は譲渡ができない

給料ファクタリングで売買される給与債権は別名、労働債権とも呼ばれ労働者が労働を行った対価として受け取る権利のことです。

労働基準法では、労働債権は労働者が雇用者から直接現金で受け取るものであり、他者に譲渡することはできないと定められています。

そのため、給与債権を売買するという行為自体が認められない可能性があります。

給与債権が譲渡(売買)できるかどうかは、法律の専門家でも見解が分かれる部分ではありますが、いずれにせよ給料ファクタリングが法的にグレーと言われる理由の一つになっています。

給料ファクタリング会社の言い分は?

給料ファクタリング会社の言い分

ほとんどのファクタリング会社は、「給料ファクタリングは違法ではない」と謳って運営を行っています。

ファクタリング会社はどのような理由があって、給料ファクタリングは違法ではないと明言しているのでしょうか?

続いて詳しく解説していきましょう。

①給料ファクタリングは貸金ではなく、給与債権の売買だから

ほぼ全てのファクタリング会社がこの見解の元、運営を行っています。

実質的には貸金ですが、あくまでも給与債権の譲渡であり資産の売却であるのと相違ない、という主張です。

しかしながら上記で述べた通り給与債権の譲渡が法的にグレーであることから、この理論が法的に認められる可能性は非常に低いでしょう。

また給与債権の売買を装った違法な貸付という批判もあり、金融庁が直々に給料ファクタリングの実態は貸付であるとの見解を発表しています。

②ノンリコース取引であるから

「給料ファクタリングは、ノンリコース取引(遡及義務がない)だから貸付ではない」

と主張するファクタリング会社も存在します。

ノンリコース取引とは別名、買い戻し義務・遡及義務とも言われます。

ノンリコース取引の場合、給料ファクタリングを利用した後にお勤め先の会社が倒産し、給料が支払われなかった際には、利用者はファクタリング会社に支払いをする必要がありません。

一方でウィズリコース取引(遡及義務あり)の給料ファクタリングの場合、給料がお勤め先から支払われなかった場合でも、利用者はファクタリング会社に支払いをする必要があります。

実は法人ファクタリングにおいては、ウィズリコース取引の債権売買は債権を担保にした違法な貸付であるという司法判断が下されています。

一方でノンリコース取引であれば、債権が不渡りになった場合のリスクをファクタリング会社が引き受けているため、貸付ではないと判断されます。

法人ファクタリングの原則を、給料ファクタリング業者も自身のサービスに当てはめて、給料ファクタリングは違法ではないと主張をしているのです。

しかしながら、やはりここでも給与債権が譲渡可能かどうかという法的問題は拭い切れていません。

また実際に給料ファクタリングを行う際には、ファクタリング業者はお勤め先の会社の経営状況などを審査しています。

そのため給料の未払いが生じる可能性があると判断した場合には、給料ファクタリングを行うことはありません。

つまり給料ファクタリングにおいて、ノンリコース取引かウィズリコース取引であるかは全く重要ではないのです。

調査によると、

「勤め先の会社から給料が支払われるのが遅くなったにも関わらず、厳しい督促が行われた」

という口コミ体験談もあり、ほとんどのファクタリング会社が遡及義務の原則を無視した運営を行っています。

したがって「給料ファクタリングはノンリコース取引だから、違法ではない」という業者の主張も、法的には効力はないと言えます。

金融庁の給料ファクタリングに対する見解

給料ファクタリングの問題点、違法性が浮き彫りになっていく中で、2019年の3月に金融庁が一般人からのノンアクションレターに対する回答という形で給料ファクタリングに対する見解を発表しています。

金融庁が発表した給料ファクタリングに対する見解の要点は、以下の通りです。

個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権について、労働者が賃金の支払いを受ける前にそれを他に譲渡した場合においても、その支払いについては労働基準法が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがって、その賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払いを求めることは許されないとの同法の解釈を前提とすると、照会に係るスキームにおいては、いかなる場合であっても賃金債権の譲受人が自ら使用者に対してその支払いを求めることはできず、賃金債権の譲受人は、常に労働者に対してその支払いを求めることとなると考えられる。

そのため照会に係るスキームにおいては経済的に貸付に該当すると考えられる。したがって、照会に係るスキームを業として行うものは、同項の「貸金業」に該当すると考えられる。

「金融庁における一般的な法解釈に関わる書面照会手続き」より引用

簡単にまとめると、

・給料ファクタリングは給与債権の売買と謳っているが、実際には給与を支払う雇用者は無関係である

・給料ファクタリング業者と利用者の間のみで金銭のやり取りが行われているため、給料ファクタリングは貸金業に該当する

というのが、金融庁の判断となります。

あくまでも一般人からの質問に回答したという形ではありますが、金融庁が公式に「給料ファクタリングは貸金業」であると認めたことになります。

詳しくは金融庁のホームページや、日本ファクタリング業協会のサイトをご覧ください。

給料ファクタリングの裁判事例

裁判

さらに2020年の3月には、東京地方裁判所で行われた給料ファクタリングを巡る裁判において、給料ファクタリングは貸金に該当するという判決が下されています。

判決では、

・給料ファクタリングは手形割引などと同様の金銭交付であり、貸金に該当する
・原告は年利1840%を超える利息の契約を行っており、出資法違反・刑事罰の対象になる
・したがって被告(利用者)は支払いを行う義務はない

という主文が読み上げられました。

この裁判事例により、給料ファクタリングは貸金であるという法見解が認定されたことになります。

加えて給料ファクタリング業者が刑事罰に該当する恐れがある、利用者は支払いを行う必要がない、ということも示唆されています。

給料ファクタリングは借金ではない、と断定する業者・サイトに要注意!

warning

金融庁、東京地方裁判所によって給料ファクタリングは貸金であり違法性が高いという判断が下されたにも関わらず、

「給料ファクタリングは借金ではありません!」

「給料ファクタリングは安全なサービスです!」

と謳うファクタリング会社や業者紹介記事には注意が必要です。

特に給料ファクタリングの比較サイトは営利目的のために、架空の口コミを捏造したり誇大広告を行って給料ファクタリングの利用を誘っています。

「おすすめの安全なファクタリング会社を紹介します!」

「給料ファクタリングは安全な資金調達方法です!」

といった謳い文句を簡単に信じないようにしましょう。

そのようなサイトや業者を鵜呑みにしないよう、記載されている内容は必ずよくよく確認するようにしてください。

まとめ

パトカー

兼ねてより給料ファクタリングは手数料の高さ、悪徳業者の横暴さなどが問題視されており違法な貸金であるとの批判が絶えませんでした。

それが2020年に入り、金融庁と裁判事例で「給料ファクタリングは貸金である」との判断が公的かつ法的に下されたことで給料ファクタリングは違法である可能性が非常に高まっています。

ただ現時点では給料ファクタリングを規制する法律が制定されたわけではなく、給料ファクタリング業者が逮捕されたという事例はありません。

そのため現在給料ファクタリングをご利用中の方がすぐに支払いを止める、過払金を請求するといった行動を起こすことはお勧めできません。

回収に焦るファクタリング会社が逆上し、お勤め先の会社に鬼電を行う、闇金業者に回収を依頼するといった凶行に走る可能性があります。

仮に支払いにお困りの際には、実績がある弁護士の方に相談をしてみてください。

現在給料ファクタリングをご利用中の方は、元金だけでも支払う姿勢を見せ、契約書や入出金履歴をきちんと保存しておくようにしましょう。

また今後規制される可能性が高く、限りなく違法性が高い給料ファクタリングですが、

・信用ブラックでもお金を手にできる
・審査がない
・土日でも利用可能
・誰にもバレない

といったメリットから、給料ファクタリングには一定の利用ニーズがあるのもまた事実です。

「正規の金融機関から、借入ができない…」

「どうしても明日までにお金が必要…」

などの理由・事情がある方は、口コミ評判が良く信頼性が高い七福神などの優良ファクタリング会社を利用するようにしてください。