給料ファクタリングに関するニュースを解説!

給料ファクタリングのニュース

給料ファクタリングが取り上げられたニュースを元に、どのような論点が述べられているのか給料ファクタリングに違法性はあるのかを分かりやすく解説していきます。

給料ファクタリングに関するニュースを解説

これまでに給料ファクタリングがニュースメディアに取り上げられた事例は、全部で3つあります。

それぞれのニュースを詳しく解説していきましょう。

①日経新聞(2019年12月2日)

日経新聞の給料ファクタリングの仕組み図
日経新聞より

給料ファクタリングが初めてニュースメディアに取り上げられたのは、2019年の12月2日の日経新聞の記事です。

給与を事実上の担保として資金を提供し、手数料を要求する「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。"融資"を持ちかけるSNS(交流サイト)投稿などを見て給料の前借り感覚で利用するケースが目立つ。金銭の貸し借りではないため利息制限はないが、金利換算では法外な手数料がかかるケースも多く、弁護士などが注意を呼びかけている。

手数料を金利に換算すると年率600%。利息制限法が定める上限(最大20%)を大幅に超えていた。 消費者金融に詳しい小林孝志弁護士によると、ファクタリングは中小企業などが売掛債権を売却し、当座の資金を調達する手法。これを個人の賃金に当てはめたのが給料ファクタリングだ。現金がすぐに振り込まれるが、高額な手数料を請求される事例が多い。

小林弁護士は「金利と異なり、手数料は法律で規制されていない。法の抜け穴をついた悪質な行為だ」と訴える。

そもそも労働基準法は給与について原則直接支払いと定めており、債権譲渡された第三者への支払いを禁じている。雇用契約時の書面で給与債権の譲渡禁止を明記する会社もある。ただ、業者の大半は給与を支払う会社側に取り立てることはなく、給与を譲渡した事実が表に出ない例が多い。 仮にファクタリング業者への給与の譲渡が明らかになれば労基法違反に問われるのは会社側だ。

また契約上は金銭の貸し借りに当たらないため貸金業法や利息制限法、出資法にも抵触しない。 小林弁護士は「まずは行政処分をできる仕組みをつくるべきだ」と指摘。消費者には「生活の命綱とも言える賃金を削るのは非常に危険だ。目先の利益にとらわれず、利用に慎重になってほしい」と話す。

日経新聞「給料ファクタリングにご用心 狙われる前借り感覚」

それではこの記事を詳しく解説していきましょう。

記事の要点

日経新聞の記事の要点をまとめると、以下の通りです。

・給料ファクタリングは給与を事実上の担保にして、貸付を行う行為
・金銭の貸し借りではなく、利息制限法の影響は受けないが金利換算すると法外な手数料になる
・給料ファクタリングの手数料は法律で規制されておらず、法の抜け穴をついた悪質な行為
・少額であるため、弁護士や警察は対応に消極的
・契約上は、貸金業法や利息制限法、出資法違反には該当しない

日経新聞の記者は給料ファクタリングの危険性を弁護士の見解を交えて訴えています。

しかしながら現状、給料ファクタリングは違法であるという断定は避けています。

契約を行なっている限りは、貸金業法・利息制限法・出資法のいずれにも抵触しないとも名言をしています。

ただ全体的には給料ファクタリングの危険性を警鐘し、法規制を求める内容です。

弁護士や警察の方の対応は消極的であるということも気がかりな点と言えます。

②NHK解説委員室(2019年12月20日)

NHK解説委員室の注意喚起
NHK解説委員室より

日経新聞の記事が出た2019年12月の同月には、NHKが運営するメディアサイト「解説委員室」で給料ファクタリングが取り上げられています。

【給料の「前借り」サービスとは、どういうものですか?】

ネットやSNS、スマホのアプリで、「給料を前借りできます」などと宣伝している、「給料ファクタリング」というサービスです。いくつかの事業者のホームページを見てみると、「借金ではないので利息の心配はありません」、「他の借金を延滞しているなど、いわゆるブラックリストに載って消費者金融から借りられない人でも大丈夫」「夫が仕事をしていれば主婦でも利用できます」と宣伝しています。

【でも、おカネを受け取って、給料がでたら支払う。これは借金ではないのですか・・?】

事業者は「違う」と言っているのです。あくまでも、勤め先から「給料を受け取る権利」を買い取る契約をしているので、「おカネの貸し借りではない」と言うのです。

【なぜ、借金ではないと言っているのですか?】

それによって、合法だと言えるから、と見られています。 というのは、消費者金融などの貸金事業者については、かつて多重債務問題が大きな社会問題になったことから、今では、都道府県などへの登録が義務付けられて、 金利の上限が20%以下に定められています。

また、
▼ 信用情報機関などを通じて返済能力を調査する。
▼ 年収の3分の1を超えて貸し付けてはいけない。
▼ 取り立て行為も、深夜に自宅に電話をしたり、正当な理由がないのに勤務先に連絡したりすることが禁止される

など、厳しい規制がかけられています。 一方、給料ファクタリング事業者は、自分たちは、おカネを貸しているわけではないので、こうした規制の対象にはならないとしているのです。

【これは本当に合法なのですか?】

この問題に詳しい弁護士などは、給料ファクタリングの多くは「ヤミ金融」の疑いがあると指摘しています。というのも、「給料を受け取る権利を売買しているのだけだ」と言っていますが、勤務先に知られないように、二者の間でおカネのやり取りをしているケースが多く、それは、事実上、貸金業ではないか。登録をしていないのなら、ヤミ金融の疑いがあるという考えです。先週開かれた、政府の多重債務問題などに関する懇談会でも、出席した弁護士から、金融庁や警察に対して、注意喚起や取り締まりなど、対策を急ぐよう求める声があがりました。金融庁は、このところ出てきた新しいサービスなので、まずは実態を把握した上で、きちんと対応していきたいという、という段階です。

【心配ですね】

はい。先ほども話したように、手数料が高いケースが多く、支払わなければいけない額があっという間に膨れ上がる心配があります。まずは、安易に利用しない。安易にアプリをダウンロードしない。ということが大事だと思います。そして、金融庁や警察は、放置して深刻な被害が広がる前に、対策を急いでほしいと思います。

【すでに借りてしまい、支払いに困っているという方は、どうすればいいのでしょうか?】

この問題に詳しい弁護士は、申し入れをしたり、裁判を起こしたりすれば、おカネを支払わなくても済む可能性がある。すでに払ってしまったものも取り返せる可能性がある。無理におカネを調達して支払いをする前に、法律の専門家に相談をすることを考えてほしいと話しています。

NHK解説委員室「「給料の『前借り』サービスに 注意!」(くらし☆解説)」

記事の要点

NHK解説委員室の記事は、給料ファクタリングとはどのようなサービスなのか対話形式で分かりやすく解説しています。

記事の要点としては、

・給料ファクタリングは現状、法律の規制の対象外となっている
・手数料が高いため、ヤミ金の疑いがある
・裁判を起こせば、支払いをしなくても済んだり過払金を受け取られる可能性がある

という3点です。

給料ファクタリングの違法性、法規制がないという現状を踏まえて利用を控えるように訴える点は日経新聞の記事と同じです。

一方でNHK生活委員室では、「裁判によって給料ファクタリング業者への支払い義務をなくしたり、過払金を受け取れる」という点の可能性について言及しています。

しかしながらこれはあくまでも可能性の話であり現状、給料ファクタリング業者と裁判を起こし過払金を勝ち取ったという事例は一件もありません。

そのため過払金目的で給料ファクタリングを利用するのは非常に危険です。

また日経新聞同様に、給料ファクタリングが違法であるということは断定しておらず、あくまでも法規制の推進を求める締め括りとなっています。

③朝日新聞(2020年2月)

朝日新聞

2020年の2月には、朝日新聞が一面で給料ファクタリングに関するニュースを取り上げました。

給料の前払いをうたい文句に事実上、現金を貸し付ける悪質な業者が横行している。法外な支払いを請求されて困った利用者の訴えが昨年以降、目立ち始めた。業者は企業向けの資金調達手法になぞらえて「給料ファクタリング」と称しているが、実態はヤミ金だとの指摘もあり、業者と利用者のトラブルが裁判に発展する例も出てきた。  

東京地裁で1月21日、都内の給料ファクタリング業者が不払いの利用者を訴えた民事裁判があり、業態の違法性が浮かび上がった。

裁判長は業者の「支配人」を務める男性に対し、「法律上、会社に請求できない債権を譲り受け、利用者に請求する根拠は」とただした。労働基準法では、給料は雇用主が労働者に直接支払うと定めており、第三者である業者に支払うことはできない。業者はこれを逆手にとり、利用者から取り立てている形だ。 支配人が答えに窮していると、裁判長は「借りたものを返せといっているのと同じでは」「債務者は(給料を支払う)会社でしょう」「合法かどうかには関心がないんですか」などとたたみかけた。 支配人は「給料ファクタリングはそういう仕組みでやっている」「債権者として回収を行うのは当然」などと返したが、最後は答えに詰まり、裁判は結審した。  

業者側は給料ファクタリングは貸金ではなく債権の売買だと主張するが、この問題に詳しい山川幸生弁護士(東京弁護士会)は「ヤミ金の再来だ」と話す。ヤミ金への規制が厳しくなり、抜け道としてファクタリングに目をつけた可能性があると指摘する。貸金だとすれば貸金業法や出資法などに抵触するといい、「まずは金融庁がはっきりと見解を示してほしい」と話す。(新屋絵理)

朝日新聞「給料ファクタリング ヤミ金の再来」

記事の要点

朝日新聞では、給料ファクタリング業者と利用者の裁判事例も取り上げています。

この裁判では給料ファクタリング業者が支払い遅延に対して訴えを起こしたという事例です。

裁判員と業者のやり取りが記載されていますが、ここでは結審段階で肝心の判例はまで出ていません。

他のメディア同様に、給料ファクタリングをヤミ金としていますが、違法であるとの明言は避けています。

日経新聞(2020年3月6日)

2020年の3月には、日経新聞も給料ファクタリングの危険性を特集した記事を掲載しています。

会社員などから将来受け取る給料を債権として買い取り、給料日前に事実上、現金を貸し付ける「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。

(中略)

だが法規制がないことを背景に、多額の手数料を要求されるトラブルも目立つ。専門家は「実質的なヤミ金だが、周囲に被害を相談できない人も多い」としている。(杉侑里香)  

(中略)

金利換算では年率が500%超となり、利息制限法の上限(最大20%)を大きく上回っていた。  

(中略)

実態について「ヤミ金にほかならない」と指摘するのは植田勝博弁護士だ。一般的なファクタリングは、大半が「利用する会社-取引先-業者」の3者間の合意で行われる。これに対し、給料ファクタリングは「利用者-業者」の2者間で進み、給料債権の譲渡も名目だけ。

そもそも労働基準法は、給料は労働者への直接払いが原則で、「事実上は利用者と業者間の金銭の貸し借りだ」(植田弁護士)。  

多重債務者を支援する「大阪クレサラ・貧困被害をなくす会」(大阪いちょうの会)にも今年に入り、相談が急増。同会ヤミ金対策委員長の前田勝範司法書士によると、他の消費者金融などで借金がある多重債務者の利用が多いとみられる一方、全容は今も謎が多い。前田氏は「被害事例を集め、実態把握や刑事告発につなげていきたい」と話している。

日経新聞:「前借り感覚」実態は「ヤミ金」、年利500%も…被害急増

記事の要点

やはり産経新聞でも、給料ファクタリングは手数料が高いことと法整備が整っていないということが取り挙げられています。

まとめ

現在までに、給料ファクタリングがメディアに取り上げられたケースについて詳しく解説してきました。

どのメディアにも共通して言えることは、

・給料ファクタリングはヤミ金の疑いがある
・手数料が非常に高い
・現時点では、違法性はない
・金融庁、警察に早急の規制を求める

ということです。

給料ファクタリングの利用をお考えの際には、くれぐれも業者の安全性に注意しなければいけません。