タワーマンションを購入して後悔!デメリットを解説

タワーマンションを購入して後悔!デメリットを解説

憧れのタワーマンション。

「いつかはタワーマンションを買いたい」と考えている人も多いのではないでしょうか?

確かに圧倒的なステータスを誇るタワーマンションは人気ですが、実は実際に購入した人の多くがタワーマンションの弊害を実感しているのも事実です。

タワーマンションを購入する前に、タワーマンションを買った人がどのような点に後悔しているのか理解しておきましょう。

タワーマンションを買って後悔した理由と、タワーマンションに向いている人、向いていない人をご紹介していきます。

タワーマンションのデメリット|買って後悔した理由10選

タワーマンションを買って後悔した理由10選

タワーマンションを購入した人は、さまざまなことについて「買って失敗だったかな」と、後悔しているようです。

最も多い後悔の理由は次のようなものです。

タワーマンションを買って後悔した10の理由
  1. ローンの返済金額が予想以上に高い
  2. 管理費や修繕積立金が高い
  3. マンションの価値が下がった
  4. 洗濯が不便
  5. エレベーターでの移動に時間がかかる
  6. ネット回線が混み合って遅い
  7. 宅配やゴミ出しが面倒
  8. 共用施設が使いにくい
  9. 災害時のリスクを感じる
  10. 風揺れ

タワーマンションに実際に住んでみて、どんなことに後悔を感じているのか、詳しく解説していきます。

ローンの返済金額が予想以上に高い

タワーマンションは、高層階になればなるほど割高になります。

2021年の新築マンションの平均坪単価は約314万円ですが、9階以上になると平均坪単価を上回り、上層階になればなるほどこの開きがさらに大きくなっていきます。

つまり、高層階のマンションほど割高になります。

必然的に坪単価が高くなればローンの借入額も多くなるので、毎月の返済額も高額になっていきます。

平均坪単価程度を想定してマンションの資金計画を立てていたものの、少し背伸びして高層階のタワーマンションに手を出したことによって平均坪単価を上回ってしまい「ローンの返済が苦しい」と感じる人も多いようです。

管理費や修繕積立金が高い

タワーマンションは管理費や修繕積立金が他のマンションよりも高くなる傾向があります。

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」という資料によると次のように高層マンションほど管理費が高くなっていることが分かります。

管理費の平均金額
  • 3階建以下:14,965円
  • 4~5階建:16,892円
  • 6~10階建:15,307円
  • 11~19階建:16,155円
  • 20階建以上:25,069円

高層マンションになればなるほど管理費が高い理由として、次のようなことが原因だと考えられます。

タワーマンションの管理費が高い理由
  • 共用施設が豪華
  • エントランスなどの共用部分にお金をかけている
  • コンシェルジュや警備員をおいていると人件費がかかる

タワーマンションでは、一般的なマンションよりも管理費が1万円以上高くなってしまうことが一般的です。

さらに、高層マンションであるため、修繕にも一般的なマンションよりもお金がかかります。

タワーマンションは修繕積立金も一般的なマンションより高くなってしまうことが多いようです。

購入当初にはローンの返済しか考えておらず、購入後に想定よりも高額な管理費や修繕積立金の支払いに困窮してしまうという人も少なくありません。

マンションの価値が下がった

マンション購入を資産運用の一環だと考えて購入する人も少なくありません。

しかし、タワーマンションの価値が下がって思ったような価格で売却することができないことによって後悔を感じている人も多いようです。

  • エリアに人気がなくなってしまった
  • 周辺に多くのマンションが建築された
  • 間取りや設備が時代遅れになってしまった

上記の理由によって価値が大きく下がってしまうことは珍しいことではありません。

「長期的に価値を維持できるだろう」と考えて購入したものの、価値が大きく下がって後悔している人は数多く存在します。

洗濯が不便

タワーマンションには入居者に対して様々な規約があります。

タワーマンションによってはマンションの景観を守るためなどの理由によって、管理規約にバルコニーやベランダなどに洗濯物を干すことができないと定められています。

大抵のタワーマンションは浴室乾燥機能がついており、洗濯物を乾かすことには不都合はありません。

しかし、布団なども外に干すことはできないので、日光で洗濯物を乾かしたいと思う人はタワーマンションでの生活に不都合を感じるでしょう。

エレベーターでの移動に時間がかかる

エレベーターの台数が少ないタワーマンションでは、エレベーターでの移動にかなりの時間がかかってしまうこともあります。

特に通勤時間帯などのエレベーターが混み合う時間は、エレベーターに乗るまでに待たされ、さらに各階に止まる率が高いので地上に降りるまでにも時間がかかります。

高層階の場合には地上まで降りるのに10分以上の時間がかかることもよくあります。

さらに、朝は駐車場のリフトで渋滞し、すぐに車を出すことができないタワーマンションも存在します。

これらの理由から、自宅のドアを出てからマンションを出るまでにトータルで数十分もの時間がかかってしまう場合があり、ストレスに感じる人が多いようです。

ネット回線が混み合って遅い

タワーマンションにはインターネット回線が標準装備されているケースが多くなっています。

しかし、数百戸が居住する巨大マンションで1つのインターネット回線を同時に使用するため、休日や夜間などは、回線が重くなりやすいです。

特にコロナ禍によってテレワークや巣篭もりが増えたため、ネット回線が重くなったと感じる人が多いようです。

数十戸程度の小規模〜中規模のマンションであれば、居住者が同時使用したからといって回線が遅くなることはほとんどありません。

しかし、タワーマンションは居住者が多いのでどうしても回線が遅くなってしまうことがあります。

宅配やゴミ出しが面倒

高層階の住民は宅配やゴミ出しが非常に煩雑です。

宅急便は自室まで運んでくれるケースもありますが、最近は感染症対策のために宅配ボックスへの配達を希望するケースもあるでしょう。また、不在の場合は宅配ボックスに荷物が入ることになります。

ゴミ出しは、各階にゴミ置き場がある場合がほとんどですが、粗大ごみの回収場所は1階の場合が多いため、配達物の受け取りやゴミ出しの都度、部屋から1階まで降りなければならないことは、次第に面倒になるという人が多いようです。

高級な上層階に住めば住むほどこの煩雑さは増していきます。

これも高層のタワーマンションゆえのデメリットだと言えるでしょう。

共用施設が使いにくい

タワーマンションというと、共用施設が充実しているというイメージがあります。

しかし、実際には使いにくさを感じている人も多いようです。

タワーマンションの共用施設
  • 人気のある施設が予約で埋まっていて使えない
  • 低層階の人は施設を使いにくい雰囲気がある

充実した共用施設が魅力でタワーマンションを買ったのに、実際には施設を気軽に使えないと感じている人も多いようです。

数百世帯もあるタワーマンションでは共用施設の予約が埋まりやすいため、利用したいときに利用ができないことが多く、結局住み始めてから数年経っても一度も共用施設を利用したことがないという人も珍しくありません。

また、タワーマンションには「タワーマンションカースト」なるものがあり、低層階の人は肩身の狭い思いをするケースが少なくありません。

特にそれは住民が集まる共用施設の利用時に感じることが多く、この点もタワーマンションのデメリットの1つです。

災害時のリスクを感じる

超高層のタワーマンションは停電などになってしまうと、災害時に非常に危険があります。

実際に2019年の台風の際には、地下が水に浸かったタワーマンションが停電になり、タワーマンションの電源が全戸喪失してしまうという事態になりました。

タワーマンションは安全と思われていますが、高層マンションだからこそ、災害時閉じ込められたり、地震の際に異常な揺れを感じたりするリスクが高くなります。

必ず防災対策がどのようになっているかについてしっかりと確認しましょう。

風揺れ

高層マンションであるタワーマンションは風揺れも深刻です。

少しの風でも揺られるタワーマンションも存在し、その場合、台風の際にはかなり強い風揺れが起こることになります。

人によっては風揺れで酔ってしまうという人もいるので、タワーマンションを買ったものの風揺れで快適に過ごすことができなかったというケースも多々あります。

高額な高層階になればなるほど風揺れの影響も大きく、「高いお金を出して高層階を買ったのに風揺れがあるなんて知らなかった」という人も多いので、酔いやすい人や風揺れが心配な人は購入について慎重になった方がよいかもしれません。

タワーマンション購入に失敗する3つのケース

タワーマンション購入に失敗する3つのケース

そもそもタワーマンションはよく熟慮して購入を検討すべきものです。

次のような人はマンションを買ってから後悔する可能性があるので要注意です。

タワーマンション購入に失敗する3つのケース
  • ロケーションのみで購入
  • 子供がいるのにタワーマンション
  • 諸経費を考慮せずに購入した

タワーマンション購入で失敗する3つのケースについて詳しく見ていきましょう。

ロケーションのみで購入

タワーマンションといえば立地やロケーションがステータスです。

人気のエリアに一目で目につく場所に建てられることが多いので、ロケーションで購入を決定する人が多いのも事実です。

確かに多くの人がロケーションやステータス目当てでタワーマンションを購入していますが、それだけでマンションを選んでしまうと、実際に居住した時の生活に不自由するということにもなりかねません。

ロケーションを重視するあまりに、職場やスーパーなどの生活利便施設から遠くなってしまうこともあります。

ロケーションやステータスも重要ですが、実際の生活をイメージした上で購入を検討しましょう。

子供がいるのにタワーマンション

小さな子供がいるのにタワーマンションを購入した人も「購入を失敗した」と感じることが多いようです。

小さな子供連れでのタワーマンション生活は不向きだと指摘する声が多く、実際にタワーマンションを購入する人の多くが夫婦2人暮らしか、子供1人の3人家族です。

子供がいると共用部分が使いにくかったり、子供の走る足音が苦情になったりと、タワーマンションで生活するのに気を遣うことが多くなります。

また、小さなお子さんを抱き抱えながら高層階から地上まで毎日移動することも大変です。

小さなお子さんがいる家庭では、あまりタワーマンションで生活することには向いていないでしょう。

諸経費を考慮せずに購入した

タワーマンションは管理費や修繕積立金が一般的なマンションよりも高くなっているケースがほとんどです。

マンションを購入する際の住宅ローンの返済金に加えて、管理費と修繕積立金の合計で毎月の支出が4万円以上になってしまうこともあります。

すると予算を大きくオーバーしてしまうことがあり、生活に困窮する可能性もあります。

タワーマンションは管理費と修繕積立金が高額なので、ローンの支払い以外の諸経費もしっかりと考慮した上で購入しましょう。

タワーマンションに向いている人はこんな人

タワーマンションに向いている人

買って後悔する人も多いタワーマンションですが、「買ってよかった」と満足している人も多いのも事実です。

次のような人はタワーマンションを購入することによって満足感を得やすいでしょう。

タワーマンションの購入に向いている人
  • ステータス重視の人
  • 都心部へのアクセスを重視する人
  • 長期のライフプランを立てられる人

タワーマンションの購入に向いている人について詳しく解説していきます。

ステータス重視の人

ステータス重視の人はタワーマンションに向いています。

タワーマンションは居住していて不都合を感じることも多いものの、やはりステータスは圧倒的です。

高いステータスを獲得するために、多少の生活上の不都合を我慢することができる人は、タワーマンションのデメリットを受け入れることができるでしょう。

「とにかく住む場所はステータスを重視したい」という人はタワーマンションに住むことが向いています。

都心部へのアクセスを重視する人

タワーマンションといえば、好立地に建設されていることが一般的です。

都心部へのアクセスを重視する人はタワーマンションに居住することによって移動が楽になるでしょう。

都心の一等地に居住してアクセスを重視したいという人は、タワーマンションに居住することによって利便性の高い生活を実現することができるでしょう。

長期のライフプランを立てられる人

長期のライフプランを立てることができる人でないと、高額なタワーマンションを購入し維持していくことは難しいでしょう。

タワーマンションは住宅ローンの借入額が5,000万円〜1億円超えになってしまうこともあります。

高額なローンの返済金に加えて、高額な管理費と修繕積立金を毎月支払っていかなければなりません。

「今返済できるから高額なローンを借りても問題ない」と安易に高額な住宅ローンを借りるのではなく、長期的な返済計画に基づいてタワーマンションの購入計画を立てるようにしましょう。

長期の計画を立てることができない収入の不安定な人は、購入に対して慎重になった方がよいでしょう。

タワーマンションを選ぶ5つのポイントとは

タワーマンションを選ぶ5つのポイント

タワーマンションのデメリットを理解した上でタワーマンション購入を決めた場合、タワーマンションはどのようなポイントを見て購入を決定するべきでしょうか?

どのようなマンションを買うか悩んだら、次の5つのポイントから最適なマンションを選ぶのがよいでしょう。

タワーマンションを選ぶ5つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

タワーマンションを選ぶ5つのポイント
  1. エレベーターの数
  2. 駐車場の数やルール
  3. 災害対策は万全か
  4. 共用施設の充実度
  5. コンシェルジュのサービス内容

エレベーターの数

高層階に居住している人にとっては特にエレベーターの数は重要です。

混雑時などはエレベーターが到着して下に降りるまでに10分以上かかることもあるためです。

エレベーターの数については法律で台数が決められているわけではありません。

そのため、マンションによって大きく違いがあります。

エレベーターの台数が多い・少ないの目安はおおよそ次のように言われています。

エレベーターの台数の目安
  • 多い:74戸につき1台以上
  • 標準的:75~100戸につき1台
  • 少ない:100戸超につき1台

マンションの総戸数が200戸ある場合、エレベーターが3台以上あればエレベーターの台数が多いマンションといえるのでそれほど不都合を感じることはないでしょう。

タワーマンションへの居住を決める前にエレベーター1台あたりの戸数を計算し、当該マンションのエレベーターの台数が多いのか少ないのか調べてみるとよいでしょう。

駐車場の数やルール

駐車場の数や運用のルールも重要です。

  • 平置きか立体か
  • 駐車可能台数は何台か
  • 運用のルールはどのようになっているか(洗車禁止や夜間のふかしなど)
  • 駐車場代は1台いくらか

複数自動車を所有しているのに1部屋1台の割り当てしかなければ、例えば夫婦それぞれで車を使うことが不可能です。

また、立体駐車場の場合は混雑時に待ち時間が多くなることもあるので、どちらかといえば地下駐車場に平置きの方が便利です。

駐車場代が高額すぎないかなども調べ、問題なくカーライフを送ることができるかどうか事前に確認しましょう。

災害対策は万全か

今後、いつか起こると予想される南海トラフ沖地震などのことを想定し、マンションの災害対策は必ず確認するようにしてください。

災害対策として確認しなければならないポイントは次の通りです。

  • マンションの構造が「制振」か
  • 防災用の倉庫があるか
  • マニュアルや防災組織は整備されているか

マンションの構造には「免震」「耐震」「制振」の3種類ありますが、建物全体が揺れにくく最も揺れにくい構造になっている「制振」構造のマンションの方が安全です。

また、マンションに防災用の倉庫が用意されていることによって、災害によって万が一ライフラインなどが絶たれた時でも医療品や食料品などの備蓄が保管されているので安心です。

災害時の避難方法や住民同士の安否確認の方法などがしっかりとマニュアル化され、整備されているかどうかの確認も必ず購入前に行ってください。

共用施設の充実度

タワーマンションの醍醐味が共用施設です。

タワーマンションの主な共有施設
  • フィットネスジム
  • 24時間ゴミステーション
  • スカイラウンジ
  • ゲストルーム

マンションによって異なりますが、タワーマンションにはこれらの施設が充実しています。

自分が望む施設が用意されているかどうか確認しましょう。

共用施設が充実していればいるほど管理費は高くなるものです。

そのため、その施設が本当に必要かということもしっかりと確認した上でマンションを決めるようにしてください。

コンシェルジュのサービス内容

タワーマンションの多くにコンシェルジュサービスが用意されています。

このサービスの内容がどのようなものなのかということも事前にしっかりと確認する必要があります。

  • クリーニング
  • 宅配便の受け取り
  • タクシーやハイヤーの手配
  • レンタカーの手配
  • ゲストルームやフィットネスジムなどの共用施設の管理

管理費が高く高級なマンションほどコンシェルジュサービスが充実しています。

こちらも、自分が望むサービスが用意されているか、過度に充実しすぎて管理費が高くなっていないかどうかという点を確認するようにしてください。

まとめ

タワーマンションの外観

憧れのタワーマンションですが、実際に住んでいる人にとっては不便だなと思うことが多いのも事実です。高価なタワーマンションの購入で後悔することだけは避けたいものです。

次のような人はタワーマンションには向いていない可能性が高いので注意しましょう。

  • 朝など混み合うのが嫌
  • 子供がいる
  • 資金的な余裕がない

また、タワーマンションを購入する際には次のポイントをチェックしてから購入しましょう。

  • エレベーターの数
  • 駐車場の数やルール
  • 災害対策は万全か
  • 共用施設の充実度
  • コンシェルジュのサービス内容