マンション売却でよくある失敗例と成功させるための方法

マンション売却でよくある失敗例と成功法

マンションを売却する際には事前の準備や業者の選定をしっかりとしておかなければ大きな損をしてしまうこともあります。

では、マンション売却にはどのような準備をすべきでしょうか?

マンション売却に失敗しないためのポイントをマンション売却でよくある失敗例から考えていきましょう。

マンションを売却するまでの流れ

マンションを売却するまでの流れ

まずはマンションを売却するまでの流れについて把握しておきましょう。

マンションを売却するには大きく分けて次の3つの流れに分かれます。

  1. 売却準備活動
  2. 売却活動
  3. 売却活動後の処理

売却に失敗する人は、それぞれの段階で失敗してしまうことが多いようです。

マンション売却にはいくら早くても2ヶ月程度の時間がかかるものです。

焦りがあることによって失敗するケースも多いので、売却できるまでの流れを把握して、1つ1つ段階を踏んでいくことが重要です。 マンションを売却するまでの流れについて解説します。

売却準備活動

マンションを売却するには事前の準備が大切です。 実際に売りに出す前に行うべき準備活動として次のようなものがあります。

売りに出す前に行うべき準備
  • 査定
  • 業者決定
  • 媒介契約の締結

まずは、いくらで売却できるのかという査定を行います。

次に、査定金額や業者の対応や相性などから媒介契約を結ぶ業者を選定します。

良いと思う業者が決まったら、売却を依頼する業者と媒介契約を締結します。

売却活動

業者と媒介契約を締結したら、売却活動に入ります。

売却活動自体は業者が広告や人脈を使って行うので売主がやることはそれほど多くありません。 ただし、いつ内覧がきても対応できるよう、室内は綺麗にしておきましょう。

買主が「マンションを買う」と決めたら、まず住宅ローンに申し込むのが一般的です。

ここでも融資実行までにはいくら早くても2週間程度の時間がかかるので、「ある程度の時間がかかるもの」と認識しておきましょう。

無事住宅ローン審査に通過したら売買契約になりますが、この作業も不動産会社が代理で行ってくれます。

売却活動後の処理

マンションが売却され、引渡しを行ったあとは確定申告が必要です。

マンション売却後は確定申告が必要
  • 売却して利益が出た場合:譲渡所得税の申告
  • 売却して損失が出た場合:譲渡損失の繰越控除の申告

マンションを売却して利益が出た場合には、当該所得を申告して所得税を納めなければなりません。

なお、自分が住居として使用していた不動産を売却した場合には、3,000万円までの譲渡所得は控除の対象です。

投資用に所有していたのか、自分の居住用に所有していたのかによって所得税が大きく異なるので注意しましょう。

他方、マンションを売却して損失が出た場合には、当該損失を翌年以降3年間の住民税・所得税と相殺することができ、非常にメリットがあります。

マンションを売却した場合には、利益が出た場合はもちろん、利益が出ていない時にも必ず確定申告を行うということを徹底してください。

マンション売却でよくある失敗例5選

マンション売却でよくある失敗例5選

マンション売却で失敗する事例は様々ですが、売却に慣れていない人がよく陥る失敗事例として次の5つの失敗を挙げることができます。

マンション売却でよくある失敗例5選
  1. 売却の相見積もりを取らなかった
  2. 住宅ローンの残高を把握していない
  3. 売却の時期に失敗した
  4. 内覧の際に掃除をしていなかった
  5. 税金を把握していなかった

マンション売却でよくある5つの失敗例について詳しく解説していきます。

売却の相見積もりを取らなかった

売却準備活動の際には1社の不動産会社からしか見積もりを取らないのは非常に危険です。

業者によっては異常に安い価格を提示して、周辺の不動産相場価格よりも安い価格でしか買い取ってもらうことができないリスクがあります。

また、あまりにも高い査定額を提示する業者も危険です。

周辺の不動産相場価格よりも著しく高い価格で売りに出した場合、不動産を売却することができません。

あらかじめ周辺の相場価格を調べて、妥当な価格かどうかを確認することも重要です。

適正な売却価格を知るためには、必ず複数の業者へ見積もりを依頼し、最も納得できる価格を提示する業者と媒介契約を締結しましょう。

一括査定サイトなどを活用すると効率よく複数の業者から見積もりを取ることができます。

住宅ローンの残高を把握していない

売却を希望するマンションにいくらの住宅ローンが残っているかを把握しないまま売却の話を進めてしまったケースです。

住宅ローン価格よりも売却額の方が低い場合には、不足分を自己資金で用意しなければ金融機関の抵当権が外れないので売却することができません。

必ず住宅ローンの残高を把握し、売却価格が『住宅ローン残高+自己資金』以上となるようにしましょう。

売却の時期に失敗した

不動産には売れやすい時期というものがあります。

賃貸物件ほど季節によって需要が変動することはありませんが、やはり年度末や年末などの人が動く時期は不動産も売却しやすい傾向があります。

閑散期に売りに出しても全く売れずに泣く泣く価格を引き下げるというケースも想定できるので、できる限り売却しやすい時期を狙ってスピーディーに売却できるようにした方がよいでしょう。

内覧の際に掃除をしていなかった

内覧時に掃除をしていないと、買主から見て建物の価値が下がってしまいます。

当然と言えば当然ですが、綺麗にしておけば「立派な部屋だ」と考えて、高い価格でも買主が納得する可能性が高くなるでしょう。

モデルルームほどに綺麗にする必要はありませんが、綺麗であればあるほど、買主はマンション購入後のよい生活を想像しやすくなります。

「売りに出した時点で自宅は商品である」と強く認識し、いつ内覧が来てもいいように綺麗に掃除をしておきましょう。

税金を把握していなかった

不動産売却によって利益が出ると譲渡所得税が発生します

この譲渡所得税を把握していないと、せっかく不動産を売却しても儲けの多くが税金で取られてしまうということも考えられます。

売却時には「利益がいくらで、そこから税金がどの程度控除され、手元にいくら残るのか」ということをしっかりと把握しておきましょう。

なお、譲渡所得の税率は不動産を所有した年数に応じて次のように決められています。

譲渡所得の税率
  • 長期譲渡所得(譲渡した不動産の所有期間が譲渡した年の1月1日現在で5年を超える場合20.315%
  • 短期譲渡所得(譲渡した不動産の所有期間が、譲渡した年の1月1日現在で5年以内の場合39.630%

上記いずれの譲渡においても、自ら居住用として住んでいた不動産だった場合には居住用不動産の3,000万円の特別控除を受けることができます。譲渡所得が3,000万円も控除されるので大幅に税金を減らすことができますが、適用要件がいくつかあるので事前にしっかりと確認しておきましょう。

投資用物件を短期譲渡した場合には、譲渡所得の39%以上もの高額な税金がかかってしまうので必ず税金がいくら発生するのかについては把握しておきましょう。

マンション売却で失敗しないためのポイント

マンション売却で失敗しないポイント

マンション売却で失敗しないためには次の5つのポイントを抑えて売却活動を始めましょう。

マンション売却で失敗しないためのポイント
  1. 売却相場を把握しておく
  2. 時間をかけて売却する
  3. 複数の業者へ相見積もりをとる
  4. 住宅ローンの残債を把握しておく
  5. マンション売却に強い不動産会社を選ぶ

マンションを売却する際に抑えておくべき5つのポイントについて解説します。

売却相場を把握しておく

まずは査定の前に周辺地域の不動産の売却相場を把握しておきましょう。

不動産業者の査定は相場より高すぎても低すぎても問題です。

適正な価格で売却することが重要ですが、自分が相場を把握していなければ業者の査定が高いのか安いのかすら判断することができません。

まずは不動産サイトなどから「自分のマンションと同規模のマンションはどの程度の価格で売却されているのか」ということをしっかりと把握しておきましょう。

時間をかけて売却する

不動産の売却はある程度時間をかけて売却することが重要です。

「早く資金が欲しい」と焦って売却すると、周辺相場よりも低い価格で売却してしまうことも少なくありません。

マンションを少しでも高く、適正な価格で売却するためにはある程度時間をかける必要があります。

できれば半年程度の時間をかけて優良な買い手を探すようにしましょう。

複数の業者へ相見積もりをとる

査定の際には複数の業者へ相見積もりをとりましょう。

1つの業者だけに見積もりを依頼することには次の3つのリスクがあります。

複数の業者に見積もりを依頼しないリスク
  1. 業者によって得意・不得意がある
  2. 業者の恣意的な意図が働きやすい
  3. 業者に足元を見られる可能性がある

不動産業者によってはマンション売却の経験がないような業者も存在するので、そのような業者に売却を依頼してもマンションを適正価格で売却することが困難です。

また、業者が「高い手数料が欲しい」と思えば相場よりも高く査定されて売却できないリスクもありますし、他方「自分の得意客に安価で売りたい」と思えば相場よりも安くなってしまいます。

不動産の売却には業者の恣意的な意図が働く可能性があるので複数の業者から査定を取るべきです。

さらに、「お金に困っている」など足元を見られてしまうと、相場よりも著しく安い値段で買い取られてしまうこともあります。

このように、1社だけに査定を依頼することにはさまざまなリスクが伴うので、必ず複数の業者に査定を依頼しましょう。

住宅ローンの残債を把握しておく

住宅ローンの残債よりも売却価格が低ければ自己資金を用意しなければなりませんし、自己資金がなければそもそも売却ができません。

必ず住宅ローンの残高を把握し、そこを売却価格を決める1つのベンチマークとするようにしてください。

マンション売却に強い不動産会社を選ぶ

業者によって、マンション売却に強い業者と弱い業者があります。

マンション売却に弱い業者を選んでしまった場合には、いつまで待っても全くマンションが売却できないこともあるので、マンションを売却する際には必ずマンション売却の経験と実績がある業者を選択しましょう。

例えば賃貸の仲介しか行っていないような業者と取引しても売却することは困難ですので、必ずマンション売却に強い業者かどうか、ネットなどで調べてから媒介契約を締結してください。

まとめ

マンション売却でよくある失敗例は次の5つです。

  1. 売却の相見積もりを取らなかった
  2. 住宅ローンの残高を把握していない
  3. 売却の時期に失敗した
  4. 内覧の際に掃除をしていなかった
  5. 税金を把握していなかった

基本的には業者をしっかりと選び、住宅ローン残債を把握し、ある程度の時間をかければ失敗は防ぐことができます。

少しでも高く売却するために不動産一括査定サイトなどを使用し、必ず複数の業者から査定を取ることを徹底しましょう。